職人紹介

ガラスとの対話:成形を支える経験と感覚
伊勢裕介
成形職人
熱く溶けたガラスに正面から向き合い、その一瞬の表情を読み解く。豊富な経験と研ぎ澄まされた感覚で、ガラスを理想の形に仕上げる成形職人。
ガラス成形は、窯から取り出した高熱のガラスを、道具で操り、息を吹き込んで理想の形へと導く仕事です。伊勢氏は、毎日変化するガラスの状態を感じ取る感覚と、長年の経験に裏打ちされた技術力で、日々上質な製品を生み出しています。

花瓶づくりで培った、職人の揺るぎない土台。
入社当初、私は深い焦燥感を抱えていました。同期が2、3ヶ月でガラスを吹き始める中、私は1年半もの間、吹き終わったガラスを運ぶ「運び」の作業ばかり。正直、取り残された気持ちで、自分の不出来を疑う日々でした。
しかし、実は私が配属された「花瓶組」は成形職場で最も難しい部門である、と後に知りました。「花瓶は教えられる人が少なく、指導に時間を割けない」という先輩の言葉に、原因が自分になかったと分かり、安堵したのを覚えています。
やがて花瓶を作れるようになり、親方から「明日はコップを作ってくれ」と突然言われました。コップは未経験にも関わらず「大丈夫、できるから」と。半信半疑で挑んでみると、本当にできてしまったんです。この瞬間、私が花瓶組で培った経験には、他のどの製品にも通用する、多様なノウハウが凝縮されているのだと気がつきました。不安と苦悩を抱いた花瓶組での日々が、私にとって代えがたい、職人としての根幹となりました。
しかし、実は私が配属された「花瓶組」は成形職場で最も難しい部門である、と後に知りました。「花瓶は教えられる人が少なく、指導に時間を割けない」という先輩の言葉に、原因が自分になかったと分かり、安堵したのを覚えています。
やがて花瓶を作れるようになり、親方から「明日はコップを作ってくれ」と突然言われました。コップは未経験にも関わらず「大丈夫、できるから」と。半信半疑で挑んでみると、本当にできてしまったんです。この瞬間、私が花瓶組で培った経験には、他のどの製品にも通用する、多様なノウハウが凝縮されているのだと気がつきました。不安と苦悩を抱いた花瓶組での日々が、私にとって代えがたい、職人としての根幹となりました。

「ガラスと対話する」職人の流儀
ガラス成形の世界にいると、日々、繊細な作業と向き合うことになります。これも昔、先輩に言われたことですが、今も心に残る言葉があります。「ガラスに遊ばれているようじゃダメ。ガラスを自分に合わせるくらいの気持ちじゃないと」。これは、ただ技術を身につけるだけでなく、ガラスという素材がどんなものなのかを深く理解し、扱えということを教えてくれています。
ガラスは、その日の気温や窯の状態など、さまざまな要素が影響して日ごとに様子を変えます。職人はそれを感じ取り、ガラスの巻き取り方、使う道具、息の吹き込み方、その他さまざまなことを調整します。ガラスの状態と自分の動き、その両方を正確に把握し、思い通りに形を作る。まるでガラスと会話するように、コミュニケーションをとりながら作業を進めることが、良いものづくりに繋がっていくのだと考えています。
ガラスは、その日の気温や窯の状態など、さまざまな要素が影響して日ごとに様子を変えます。職人はそれを感じ取り、ガラスの巻き取り方、使う道具、息の吹き込み方、その他さまざまなことを調整します。ガラスの状態と自分の動き、その両方を正確に把握し、思い通りに形を作る。まるでガラスと会話するように、コミュニケーションをとりながら作業を進めることが、良いものづくりに繋がっていくのだと考えています。
代表商品紹介

商品番号:F475-2314-CAU
江戸切子 花瓶<麻の葉に八角籠目紋>
¥165,000 (税込)
鮮やかな色被せクリスタルガラスに、江戸切子の伝統文様である「麻の葉」と「八角籠目(はっかくかごめ)」を施した花瓶です。丸くやわらかい形にしっかりとカットが施されており、お花を活けるのはもちろん、そのままでもインテリアとしてお楽しみいただけます。
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商品番号:F306-2561-CCB
江戸切子 花瓶<笹っ葉に八角籠目紋>
¥220,000 (税込)
鮮やかな色被せクリスタルガラスに、江戸切子の伝統文様である「笹っ葉」と「八角籠目(はっかくかごめ)」を施した花瓶です。まるで宝石が散りばめられたようなカットは、光を受けて輝き、空間を彩るオブジェとしてお楽しみいただけます。
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