カガミクリスタル

職人紹介

大関 弘樹

課題を乗り越える胆力と、良い製品を求める探求心

大関 弘樹

成形職人
これまでの様々な経験を糧に、ガラス成形の道を進む職人。困難な状況にも適応しながら、培ってきた技術と仕事への真摯な姿勢で、常により良い製品づくりを追求しています。

左利きでありながら、右利き用の道具を使いこなす大関氏。その確かな技術は、日々の地道な練習と「できない」を「できる」に変える強い信念から生まれました。製品ごとの細かな違いにも向き合い、困難な成形作業を「やり切る」ことで得られる達成感が、尽きることのない探求心となり、より良い製品づくりへと駆り立てています。

「できない」を「できる」に。道具が育んだ職人の技と心。

私が所属する花瓶組のガラス成形では、道具をいかに使いこなすかが良い製品を作り上げる上で非常に重要です。しかし、使う道具の多くは右利き用に作られていて、左利きの私はとても苦労しました。

特に大きな壁となったのが、ガラスを切ったり摘まんだりするハサミでした。右利き用ハサミを、左手で何も意識せずに使うと、刃の合わせ目がずれて、ガラスをきれいに切れなかったり、つまむといった細かな作業が困難になったりします。花瓶成形ではガラスに入った泡や異物を取り除くのに、ハサミを頻繁に使うため、この問題は何としてでも克服しなければなりませんでした。

配属されたばかりの私は、仕事中はもちろん家に帰ってからも、ひたすら右手でハサミの練習をしていました。紙を切る時も、食卓の海苔を切る時も、意識して右手を使うようにしました。そんな小さな練習の積み重ねを続けることで、少しずつ右手でハサミを使いこなせるようになっていきました。こういった地道な積み重ねをするということが、今も私の、「できないこと」に向き合う時の指針になっています。

「やり切った」その先に、職人を駆り立てる達成感

私たちの仕事は、日々同じ作業に見えても、作る品物が違えば一つひとつの細かい所作が異なります。製品ごとに形や重さなど様々な個性があるため、その個性に合わせた作り方をしなければなりません。例えば、吹竿に巻き付けたガラスを転がす動作一つとっても、力加減やスピードなどを変える必要があります。そういった職人の感覚を頼りに仕上げていく成形の仕事は、とても奥深くて面白いです。

また、私が主に担当する花瓶はタンブラー等と比べて大きいので、持ち上げるのもひと苦労な重さです。しかも熱く溶けていて、それを自分の感覚でコントロールして製品に仕上げていかなければなりません。その困難な過程を乗り越えた時の達成感はひとしおで、完成した時の「やり切った感」には特別なものがあります。この達成感があるから、更に技術を身につけて、より良い製品を作るにはどうすれば良いかを考えるのだと思います。

代表商品紹介

商品番号:F456-1300-CGR

花瓶

¥77,000 (税込)

鮮やかな緑の色被せクリスタルガラスにカットを施した花瓶です。瓢箪をおもわせる緩やかなフォルムと、青々と茂る草のようなカットが調和しています。
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商品番号:F361-2560-CCB

江戸切子 花瓶<麻の葉に八角籠目紋>

¥132,000 (税込)

鮮やかな色被せクリスタルガラスに、江戸切子の伝統文様である「麻の葉」と「八角籠目(はっかくかごめ)」を施した花瓶です。まるで宝石が散りばめられたようなカットは、お花を活けるのはもちろん、そのままでもインテリアとしてお楽しみいただけます。
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